カリウムとは一体どういった成分なのでしょうか?

「最近、なんだか顔がすっきりしない…」「カロリーに気を付けているのに、足が太ったように感じる」

そんなふうにお悩みの方は、もしかしたらカリウム不足が原因かもしれませんね。
この記事では、美容に嬉しいカリウムの効果や、手軽に摂取できる食べ物を紹介しています。カリウムの基本的な情報や効率的な摂取方法なども解説していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

カリウムとは?

「カリウム」とは、一体どんな成分なのでしょう?

名前だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。ここでは、カリウムの基本情報にくわえ、カリウムと関係の深い成分「ナトリウム」との関係性についても解説しています。

カリウムの基本情報

カリウムは、人の体に必要なミネラルの一つです。

人の細胞の内側・外側には水分が存在し、それぞれを細胞内液・細胞外液といいます。この細胞内液・細胞外液の浸透圧が適正に保たれることで、人の細胞は正常に機能しています。つまりカリウムは、私たち人間が健康的に生きていくためには欠かせない栄養素ということになりますね。

カリウムは主に細胞の内側に多く存在し、細胞内液の浸透圧をコントロールする役割があります。また、摂りすぎたナトリウムの排出を促す役割もあり、美容や健康にとっても嬉しいミネラル成分として期待されています。

カリウムとナトリウムはよく似た役割を持つ成分ですが、体にもたらす影響やメリットについては大きな違いがあります。そんなカリウムとナトリウムの関係性について、次の項で解説いたします。

カリウムとナトリウムの関係

カリウムと関係の深い成分に、「ナトリウム」というものがあります。まずは、2つの特徴について比べて見ていきましょう。

成分 多く存在する場所 主な働き 1日の目標摂取量(厚生労働省)
カリウム 細胞の内側 ・細胞の浸透圧をコントロールする
・ナトリウムの排泄をサポートする
男性:3,000mg以上
女性:2,600mg以上
ナトリウム 細胞の外側 ・細胞の浸透圧をコントロールする 男性:7.5g未満(食塩として換算)
女性:6.5g未満(食塩として換算)

※ナトリウムの目標値は、「ナトリウムの量」ではなく「食塩相当量」として定められています。

ナトリウムは食塩の主成分のため、塩辛いものや塩分の高い食品に多く含まれています。主な働きはカリウムと同様、細胞の浸透圧をコントロールすること。

カリウムが主に細胞内液の浸透圧をコントロールするのに対し、ナトリウムは主に細胞外液の浸透圧をコントロールしています。カリウムとナトリウムはそれぞれが細胞内・外の浸透圧を調整することによって、細胞の健康をサポートする必須ミネラルになります。

しかし、食塩が主成分であるナトリウムは、摂りすぎには注意が必要。一般的に日本人は塩分を多く摂取している傾向があるため、ナトリウムの比率が高い傾向にあります。ナトリウムを多く摂りすぎると、むくみや高血圧など、美容や健康にとってもマイナスになることが多くあります。

ここ最近では「減塩」という言葉も広く使われていますね。減塩は、食事からの塩分摂取量を抑えることで、ナトリウムの過剰摂取を避ける食事法になります。しかし、食事をおいしく楽しもうとすると、塩分を控えるのはなかなか難しいのも正直なところ。

そこでおすすめなのが、カリウムの摂取。カリウムは、細胞の浸透圧をコントロールするだけではなく、体内のナトリウムを排出する役割もあり、食事で取りすぎた塩分(ナトリウム)の調整に嬉しい成分です。ナトリウムを摂りすぎても、ある程度はカリウムの働きによって排泄されるのは安心できるポイントですね。それでは逆に、カリウムは摂りすぎても問題がないのでしょうか?その点について、次の項で解説いたします。

参考:カリウム-厚生労働省
参考:ナトリウム-厚生労働省

カリウムは摂りすぎても問題ないの?

私たちの健康を支える成分、カリウム。そんなカリウムですが、過剰摂取の心配はないのでしょうか?

実は、カリウムの大半は尿として排泄されるため、健康な人であれば過剰摂取となる心配はほとんどないとされています。
「美容のために摂取したいけど、摂りすぎたらどうなるんだろう?」などと気にしなくてもいいのは、嬉しいですよね。

しかし例外として、腎臓の機能が低下している方は、注意が必要です。体内のカリウム量は腎臓によって調整されているため、腎臓が健康的に機能している必要があります。腎臓が十分に働かずカリウムが上手く排泄できなくなると、手足のしびれや吐き気などの症状を感じる場合もあるため、腎臓の機能不全などを抱えている方は注意が必要です。

しかし、大半の方はそれほど心配しすぎる必要はなさそうですね。腎臓の機能に問題のない場合は、安心してカリウムを取り入れてみましょう。

参考:カリウムの働きと1日の摂取量-公益財団法人長寿科学振興財団

カリウムの3つの効果

カリウムは、私たちの細胞が健康的に機能するために必要な成分であることがわかりましたね。それでは、そんなカリウムを摂取することで、どういったメリットがあるのでしょうか?

ここでは、カリウム摂取の嬉しい3つの効果について解説しています。

むくみのサポート

カリウムは、むくみのサポートが期待できる成分として知られています。

むくみの主な原因の一つには、塩分の摂りすぎがあげられます。食塩の主成分はナトリウムであり、塩辛いものや味付けの濃い食べ物などを食べ過ぎるとナトリウムの過剰摂取につながります。そうして多くのナトリウムが体内に取り込まれると、体はナトリウム濃度を下げるためにたくさんの水分を体にため込みます。これが、むくみの主な原因です。

そこで積極的に摂取したいのが、カリウムです。カリウムは、摂りすぎたナトリウムを尿として排泄してくれる役割があるため、塩分の摂りすぎによるむくみを軽減する働きが期待できます。

むくみにお悩みの方はもちろん、日頃あまりむくんでいる実感のない方も、カリウムを積極的に摂取することで顔や体がすっきりと感じられるかもしれませんね。塩分を摂りすぎた日やその翌日などは、意識的にカリウムを取り入れてみましょう。

肌にうれしい働き

お肌を美しく保つためには、カリウムを意識的に摂取してみましょう。

カリウムは、私たちの体を構成するさまざまな細胞の働きをサポートしています。それは、皮膚細胞も例外ではありません。他の細胞と同様、皮膚細胞が正常に機能するためにも、カリウムは必要な存在となります。皮膚細胞は活性化することで、肌のハリやキメを整えたり、バリア機能を高めたりと、美肌にとって嬉しい働きが期待できます。

また、カリウム不足によってナトリウムの排泄が滞ってしまうと、新陳代謝にも悪影響が生じやすくなります。お肌や美容のためには、新陳代謝はなるべく良い状態を保っていたいですよね。日頃からカリウムを意識的に取り入れることで、皮膚細胞が元気に働ける環境を整えておきましょう。

参考:カリウム-全国納豆協同組合連合会

血圧のコントロール

カリウムは、血圧が気になる方にもおすすめの成分です。

よく、「塩分の摂りすぎは高血圧の元」なんてことを耳にすることがありますよね。それではなぜ、塩分の摂りすぎは血圧によくないのでしょうか?

実は、塩に含まれているナトリウムは、体に水分を溜め込む働きがあり、それによって血液の量も増えるため血圧が上昇するとされています。つまり、塩分を摂りすぎて体内のナトリウム量が増えてしまうことが、高血圧を招く原因につながっているんですね。

カリウムは、そんなナトリウムの排泄を促す働きが期待できます。食事によって摂りすぎた塩分も、体内に十分な量のカリウムが備わっていることで、ある程度の排泄をサポートしてくれます。
塩分の摂りすぎによる血圧の上昇が気になる方には、嬉しい成分ですよね。
「減塩にチャレンジしているけれど、なかなか続かない…」そういった方は、一度カリウムを試してみてはいかがでしょうか。

カリウムを多く含む食べ物

カリウムは、食べ物から手軽に摂取できるため、毎日の食事などにも取り入れやすい成分です。
ここでは、カリウムを多く含む食べ物を紹介しています。中でも、スーパーなどで日常的に購入しやすい食べ物をあげていますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。

野菜

毎日の料理などにも取り入れやすい、野菜。カリウムを多く含む野菜はさまざまありますが、その代表的なものをご紹介します。

  • キュウリ
  • トマト
  • ほうれん草
  • ブロッコリー
  • パセリ

色の薄い葉物野菜よりも、緑黄色野菜などに多く含まれている傾向がありそうですね。生でもおいしく食べられるものが多いため、サラダなどの手軽な調理にも向いています。ほうれん草やブロッコリーは、カレーやシチューなどの煮込み料理に加えるのもおすすめです。

生のパセリはなかなか馴染みのない方も多いかと思いますが、乾燥パセリを常備しておくといいでしょう。乾燥パセリであれば料理の仕上げに一振りするなど、手軽に取り入れることができます。スーパーなどの香辛料のコーナーに置いていることが多いため、ぜひ探してみてくださいね。

果物

カリウムは、果物からも豊富に摂取することができます。カリウムを含む果物はたくさんありますが、中でも手軽に取り入れることができる果物をいくつかご紹介します。

  • バナナ
  • スイカ
  • メロン
  • キウイフルーツ
  • アボカド

バナナ、キウイ、アボカドは、スーパーでも通年見かける果物のため、いつでもおいしくカリウムを摂取できますね。また、食物繊維やビタミン群などの栄養価も豊富なため、日頃からの栄養補給にもおすすめです。

スイカ、メロンは通年で見かけることは少ないですが、カットフルーツなど手軽な形で販売されていることも多いため、旬の時期には積極的に摂取したい果物です。

海藻

カリウムを多く含む食べ物、その王様はもしかしたら海藻類かもしれません。
「イメージになかった」という方も多いかもしれませんが、海藻はカリウムを豊富に含むものがたくさんあります。中でも、日常に取り入れやすい海藻をいくつかご紹介します。

  • 昆布
  • わかめ
  • ひじき
  • いわのり
  • あおさ

和食との相性がいい、海藻類。わかめやあおさはお味噌汁の具として、昆布やひじきはおにぎりの具としてもよく使われていますよね。これらはカリウムを多く含むため、塩分が気になる料理とも相性がいい食材です。

海藻は野菜や果物に比べてもカリウム量が豊富なものが多い傾向にありますので、「最近むくみが気になる」といったときには積極的に食事に取り入れてみましょう。

コンビニで買えるカリウムを手軽に摂取できる食品

カリウムを多く含む食材は、さまざまあることがわかりましたね。しかし、調理もいらず、コンビニなどで手軽に購入して食べられる食品があるとなお嬉しいですよね。
ここでは、コンビニで手軽に購入できるカリウムを多く含む食品を紹介しています。

バナナ

コンビニで手軽に購入できる食品の一つ目は、バナナです。

コンビニでは一本単位で売られていることも多くありますので、出先などで「ちょっと一本だけ食べたい」といった場合などにもおすすめです。コンビニのお弁当やカップラーメンなど、塩分の気になる食事をする際は、一本プラスしてみてはいかがでしょうか。
デザートとしておいしく取り入れて、摂りすぎた塩分の排泄をサポートしましょう。

昆布のおやつ

昆布を使用したおやつもカリウム摂取におすすめです。コンビニやスーパーのお菓子コーナーなどで、よく見かけますよね。

昆布はカリウムを豊富に含んでいますので、むくみや美容を気にするときのおやつにぴったりです。また、水溶性食物繊維も豊富に含んでいるため、お通じや食後血糖値の急上昇を抑える働きも期待されています。

注意点としては、味付けに使われる調味料により、商品によっては糖質・脂質が高いものもあるかもしれません。糖質・脂質を気にしている場合は、商品の栄養表示をよく確認し、なるべくヘルシーなものを選ぶようにしましょう。

そうはいっても、他のお菓子に比べたらヘルシーなものが多くありますので、ダイエット中のお菓子としてもおすすめです。

野菜ジュース

緑黄色野菜をたっぷり使用した野菜ジュースは、カリウムの効率的な摂取におすすめです。

カリウムは水に溶け出しやすい成分ですが、野菜ジュースは野菜を濃縮した野菜汁によって作られているため、カリウムを多く摂取しやすい食品といえます。場所などもあまり選ばず、手軽に摂取できるのも嬉しいポイントですよね。食事やおやつのお供に、ぜひ一本取り入れてみましょう。

ドライフルーツ

果物を乾燥させたドライフルーツは、少ない量で多くのカリウムを摂取することができます。

特におすすめなのは、ぶどう・イチジク・柿などのフルーツ。イチジクや柿はなかなか見かけることも少ないかもしれませんが、ぶどうを使用したレーズンはお菓子コーナーでも見かけることがありますよね。
おやつとしてはもちろんですが、お酒のおつまみとしてもおすすめ。ちょっとオシャレな晩酌のお供として、試してみてはいかがでしょうか。

大豆の加工品

実は、大豆にも多くのカリウムが含まれています。大豆そのものではなかなか手軽に食べることは難しいかもしれませんが、下記のような食品であれば手軽にカリウムを取り入れることができます。

  • 納豆
  • 豆腐バー
  • 豆乳

納豆、豆乳は言わずもがなの代表的な大豆食品ですよね。

また最近では、豆腐をスティック状に形成した「豆腐バー」もコンビニやスーパーなどで見かけるようになりました。ワンハンドで手軽に食べられるため、ちょっとしたおやつや小腹を満たしたいときにもうってつけです。植物性タンパク質も豊富に含んでいるため、ダイエットや筋トレのお供にもおすすめですよ。

カリウムが取れない時はどうしたらいい?

体にとって大切な栄養素はわかっていても、実際に毎日の食事で取り入れることは難しかったり、続けるとなると負担に感じることがありますよね。
カリウムは、水分として溶け出しやすく、調理の際に失われやすい成分でもあります。
そんな時は、サプリメントでカリウムを取り入れてみるのはいかがでしょうか?

メグリウム
  • 価格:1,480円~1,680円
  • 容量:300粒(1日10粒目安)
  • カリウム配合量:1,300mg
  • 形状:タブレット

カリウムを塩化カリウムとして配合し、さらにヒハツや植物由来成分を組み合わせたサプリメントです。
デスクワークが多い方や冷えを感じやすい方に寄り添い、毎日のコンディションづくりをやさしくサポートします。

カリウムを効率的に摂取する方法

カリウムを含む食材を調理する際に、意識するべきポイントはあるのでしょうか?
ここでは、カリウムを効率的に摂取するための調理方法について紹介しています。

生のまま食べる

カリウムを効率的に摂取するためには、食材を生のまま摂取するのがおすすめです。

水溶性のミネラルであるカリウムは、水に溶け出しやすく、茹でたり煮たりすることで食品からカリウムが流出しやすくなります。そのため、サラダなどの生食として食べるのが、カリウムを余すことなく摂取しやすいためおすすめです。

キュウリなどの野菜も、スライスした状態などでは水にさらさないようにしましょう。切られた断面からカリウムが流出し、水に溶け出してしまいます。洗ったり水にさらす際は切らずにそのまま丸々洗い、その後にカットするようにするといいでしょう。

汁ごと食べる

水に溶け出しやすいカリウムですが、溶け出したスープごと食べてしまえば問題ありません。

汁ごと食べるには、煮込み料理や鍋料理、お味噌汁など、いろんな調理法がありますね。具沢山の野菜スープや、トマト鍋、昆布から出汁を取った煮物なんかもおすすめ。カリウムは熱に強いため、加熱調理も安心です。

味付けによっては汁ごと食べることで塩分(ナトリウム)の摂取量も多くなってしまう場合もありますが、同時にカリウムを多く摂取することで、カリウム・ナトリウムのバランスも調整しやすくなります。

電子レンジを使用する

電子レンジ調理も、カリウムの効率的な摂取方法としておすすめです。

最近では電子レンジ調理のレシピも多く聞くようになりましたね。具材を容器に入れて加熱するだけなので、食材から出た汁も余すことなく食べることができます。カリウムは水に溶け出しやすいため、汁ごと摂取するようにしましょう。

電子レンジでは煮込み料理のみならず、蒸し料理なども楽しむことができます。野菜のレンジ蒸しなども、おいしくヘルシーにカリウムを摂取できるためおすすめです。

日常にカリウムを取り入れてすっきり美人に近付こう

カリウムは、私たちの細胞の健康をサポートするために必要なミネラル成分であることがわかりました。
塩分の摂りすぎによるむくみの軽減や、皮膚細胞の健やかな働きを支えるなど、カリウムの働きは美容の面でも嬉しい効果が期待できます。

カリウムを効率的に摂取するには、野菜や果物、海藻などを食事に取り入れてみましょう。ポイントは、サラダなどの生食で摂取するか、茹で汁ごと摂取すること。カリウムは水に溶け出しやすいため、調理で出たスープにもたくさん含まれています。せっかくのカリウム成分ですので、残さず食べたいですよね。

日常にカリウムを取り入れることで、すっきり美しい毎日を送りましょう。