日焼け止めを塗っても焼けるのはなぜ?6つの原因と焼かない対策を解説
「日焼け止めを毎日塗っているのに、黒くなっている気がする」「SPF50の日焼け止めを使っても焼けるのはなぜ?」

その原因は、日焼け止めの塗り方や選び方に問題があるかもしれません。

そこで今回は、日焼け止めをちゃんと塗っているのに焼けてしまう原因や、焼かないための塗り方・選び方などを詳しく紹介します。
日焼け止め以外の対策についても解説しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

日焼け止めを塗っても焼ける原因を知る前に基本を知ろう

日焼け止めを塗っているのに焼けてしまう原因を知る前に、まずは日焼けの基本を紹介します。
日焼けのメカニズムや紫外線の種類、SPF・PAの意味などをチェックしてみてください。

日焼けのメカニズム

日焼けをすると、肌は2つの反応を起こします。

1.サンバーン:日焼けにより肌が炎症を起こし、ヒリヒリしたり赤くなったりする
2.サンタン:肌を守るためメラニン色素が作られ、数日後に肌が黒くなる

さらに表皮の奥にある「メラノサイト」というメラニンを生成する細胞が活性化し、シミなどの肌トラブルにつながります。

肌ダメージが違うUV-AとUV-B

紫外線には「UV-A」と「UV-B」があり、それぞれ波長の長さや肌に与えるダメージに違いがあります。

「UV-A」は波長が長く、肌の奥(真皮層)まで届き、弾力の元となるコラーゲンなどにダメージを与えます。
日焼けした直後に感じるダメージは少ないものの、将来的にシミ・シワ・たるみなどのトラブルを引き起こす恐れがあります。

「UV-B」は波長が短く、肌表面に炎症を起こします。
細胞を傷つけるなどのダメージを与え、日焼け直後から肌がヒリヒリする・赤くなるというようなトラブルを引き起こします。

種類 波長の長さ 作用する範囲 特徴と影響
UV-A 長い 肌の奥(真皮層)まで ・肌の奥までダメージを与える
・シミやシワを引き起こす
UV-B 短い 肌表面 ・肌表面への刺激が強い
・肌を炎症させ赤くなる

SPF・PAって何が違う?

SPF・PAの違いは、カットできる紫外線が違いです。
SPFは紫外線B波(UVB)による肌の炎症を防ぐ効果を表し、数値が高いほどUV-Bによる日焼けを防ぐ効果が高くなります。

SPF1あたり約20分、SPF20なら約6時間半紫外線を防ぐ効果が持続します。
最高値はSPF50で、SPF50を超える場合は「SPF50+」と表記するのがルールです。

PAは紫外線A波(UVA)による肌へのダメージを防ぐ効果を表し、「+」の数が多いほどUV-Aを防ぐ効果が高くなります。
表示は、PA+・PA++・PA+++・PA++++の4種類です。

日焼け止めを塗っても焼ける6つの原因

ここでは、日焼け止めを塗っても焼ける6つの原因について解説していきます。

  • 使用量が足りない
  • 塗りムラができている
  • 塗り直しの頻度が低い
  • SPF・PA値が低い
  • 塗るタイミングが悪い
  • 去年の日焼け止めを塗っている

1つずつ、詳しく紹介します。

日焼け止めの使用量が足りない

日焼け止めを塗っても焼ける1つ目の原因は、使用量が足りないことです。

せっかく日焼け止めを塗っても、使用量が不足していると効果が発揮できず、焼けてしまう可能性があります。

日焼け止めの効果を発揮するために必要な量は、「1㎠あたり2mg」と言われていますが、適切な使用量の目安は商品によっても違うので、パッケージに記載されている使用量を確認してみてください。
紫外線は窓ガラスを透過するため、室内でも日焼けすることがあります。

特にUV-Aは窓ガラスを通過するため、外出しない日でも適切な量の日焼け止めを塗るようにしましょう。

塗りムラができている

日焼け止めを塗っても焼ける2つ目の原因は、塗りムラができていることです。
肌の表面は、キメやシワなどの溝が多数存在します。

伸ばすようにサッと塗るだけでは、キメの溝に日焼け止めが入らず、塗りムラが生じる可能性が!

ムラになって塗れていない部分から紫外線が侵入し、日焼け止めを塗っているのになぜか焼けるという現象が起こります。
首の後ろ・デコルテ・袖周り・耳などは塗り忘れが起こりやすいので、特に注意しましょう。

塗り直しの頻度が低い

日焼け止めを塗っても焼ける3つ目の原因は、塗り直しの頻度が低いことです。

日焼け止めは汗や皮脂、洋服との擦れで落ちてしまうため、こまめに塗り直す必要があります。

汗や水に強いウォータープルーフの日焼け止めでも、1日中効果が持続するわけではありません。

「効果がずっと持続!」などと謳われているタイプでも、2~3時間ごとに塗り直すのが理想です。

SPF・PA値が低い

日焼け止めを塗っても焼ける4つ目の原因は、SPF・PA値の低いものを使っていることです。
使用するシーンに合ったSPF・PA値の日焼け止めを選ぶことは、重要なポイント。

普段の外出と炎天下でのレジャーでは、必要なSPF・PAの数値は違います。
日差しの強い場所に長時間いる場合は、SPF50・PA++++など、数値が高いタイプを塗るようにしましょう。

塗るタイミングが悪い

日焼け止めを塗っても焼ける5つ目の原因は、塗るタイミングが悪いことです。

日焼け止めは、塗るタイミングがとても重要!

UVカット効果は、塗った直後から効果を発揮できるわけではなく、15分ほどたってから十分に表れ始めると言われています。
最低でも外出の15分前には塗るようにし、2時間おきのタイミングで塗り直すのが理想的です。

去年の日焼け止めを塗っている

日焼け止めを塗っても焼ける6つ目の原因は、去年の日焼け止めを使っていることです。
1年前に買って残った日焼け止めを、もったいないからと言って今年も塗っているなどということはないでしょうか?

化粧品には消費期限があるため、去年の日焼け止めはUVカット効果を十分に発揮できない可能性があります。

特に、1度開封したものは品質が劣化しやすいため、肌荒れを起こす恐れもあるので要注意です。

もう焼けない!正しい日焼け止めの塗り方

日焼け止めの効果をきちんと発揮し「塗っても焼ける」を卒業するには、正しい塗り方をマスターすることが大切です。
ここでは、正しい手順と効果的な塗り方のコツを紹介します。

正しい日焼け止めの手順

日焼け止めの効果を発揮できる正しい塗り方の手順は、4ステップです。

  1. 正しい量を手に取り、顔の5点にのせる
  2. クルクルと円を描くように塗り広げる
  3. 目元など細かい部分も指先でていねいに塗りこむ
  4. ハンドプレスで全体になじませる

肌を保湿してから塗る

日焼け止めの効果を発揮するために、肌を保湿してから塗るようにしましょう。

化粧水だけで終えず、乳液などでしっかり保湿してから塗るのがおすすめです。

日焼け止めのフィット感が悪くなる上に、肌が乾燥に傾き焼けやすい状態になります。
うるおい不足の肌はバリア機能も低下するため、紫外線ダメージを受ける可能性も高くなります。

必ず化粧水と乳液でしっかりと肌を保湿し、その上で日焼け止めを塗るようにしましょう。

円を描くようにクルクル塗る

日焼け止めを塗る際は、円を描くようにクルクルとなじませるのが正解です。
指でスーッと一直線に伸ばす人もいると思いますが、これでは十分に効果を発揮できません。

肌には毛穴やキメなどの溝があり、ただ伸ばすだけでは、キメの細かい部分まで日焼け止めを塗るのは難しいのです。
絶対に焼かないという気持ちで、ていねいに塗りこむようにしてみてください。
参照:「日焼け止めのトリセツ」|NHK あしたが変わるトリセツショー

重ね塗りをする

日焼け止めの効果を発揮するには、重ね塗りをすることも有効です。

2回重ねることで、ムラ塗りや塗り残しを防ぐことができます。
より焼けにくい肌状態を作るためには、ひと手間をかけて重ね塗りするようにしましょう。

メイク直しは乳液状の日焼け止めで

日中、メイク直しをする際は、乳液状の日焼け止めを使うのがおすすめです。

メイク崩れした部分にパウダーを重ねるだけのお直しでは、紫外線カットの効果が弱く日焼けしやすくなります。

崩れた部分に乳液状日焼け止めをなじませ、スポンジで軽く整えてからお直ししましょう。
仕上がりは美しく、同時に日焼け止めの塗り直しをできるので便利です。

・乳液状の日焼け止めを使ったメイク直しのステップ
1.メイクが崩れた部分に日焼け止めをのせる
2.浮いたメイクをスポンジ吸収させるイメージでトントンと叩きのばす
3.お直しした部分が浮かないよう、全体のメイクとなじませる
4.フェースパウダーなどを重ねてベタつきを抑える

焼けにくい日焼け止めの選び方

ここでは、焼けにくい日焼け止めの選び方について、3つのポイントに沿って紹介します。

  • テクスチャーの違いや特徴で選ぶ
  • シーンに合ったSPF・PA値で選ぶ
  • 肌質や体質に合うものを選ぶ

1つずつ、詳しく見ていきましょう。

テクスチャーの違いや特徴で選ぶ

日焼け止めは、さまざまな種類のものが出ています。
テクスチャーや特徴を知って、好みに合うものを選ぶようにしましょう。

種類 テクスチャ― 特徴
ジェル さっぱり ・べたつかない
・さわやかな使用感
ミルク ややしっとり ・保湿力と軽さが両立
・種類が多い
クリーム しっとり ・保湿力が高い
・乾燥しやすい肌向け
スプレー みずみずしい ・手を汚さずに塗れる
・手軽にUVケア
スティック べたつかない ・肌への密着感が高い
・落ちにくさを重視
パウダー さらさら ・肌をさらさらにできる
・皮脂崩れを予防

シーンに合ったSPF・PA値で選ぶ

焼けにくい日焼け止めを選ぶ際、シーンや目的に合ったSPF・PA値で選ぶことが大切です。

炎天下のアウトドア・近所の買物・水辺のレジャーなど、シーンや目的によって適切なSPF・PA値の目安は以下の表の通りです。

長時間のレジャーでSPF値の低い日焼け止めを使うのは、日焼けする原因になるため注意しましょう。

シーン SPF値 PA値
散歩や買い物などの日常生活 SPF 10~20 PA +~++
屋外での軽いレジャーやスポーツ SPF 20~30 PA ++~+++
炎天下のレジャーやスポーツ SPF 30~50 PA +++~++++

逆に、日常生活で必要以上の数値の日焼け止めを使うのもおすすめしません。
SPFやPA値が上がるにつれ、紫外線吸収剤などの配合量が増えるため、肌への負担が大きくなる可能性があります。

日焼けしないようにするのはもちろん、乾燥や肌荒れのリスクを避けるためにも、シーンに合った日焼け止めを選ぶようにしてください。

肌質や体質に合う日焼け止めを選ぶ

日焼け止めを塗っているのに焼ける…という状態を避けるためには、肌質に合った日焼け止めを選ぶことも大切です。
・乾燥肌
乾燥肌の人は、水分油分ともに不足しやすい肌状態なので、保湿力が高いクリームやミルクタイプがおすすめです。
うるおいが逃げないように、油分が多めに含まれたクリームタイプだと乾燥を防げます。
・脂性肌
肌の油分が多い脂性肌の人は、さっぱりした使用感のジェルやミルクタイプがおすすめです。
特に皮脂崩れが気になる顔は、さらさらに仕上げられるパウダータイプも◎。
・敏感肌
肌が荒れやすい敏感肌の人は、とにかく低刺激かどうかを基準に選ぶようにしましょう。
アルコールなど肌への刺激となりうる成分を含まないタイプや、石けんで簡単に落とせるタイプの日焼け止めがおすすめです。
・汗をよくかく人
汗をかきやすい人は、ウォータープルーフの日焼け止めがぴったりです。
水に強い処方なので、気になる汗崩れを防いでくれます。

肌へのやさしさで選ぶ日焼け止め

日焼け止めを選ぶ際、SPF値やPA値だけでなく、「肌へのやさしさ」も重視したいポイントです。
日焼け止め特有のキシキシ感やツンとした香りが苦手で、使用をためらう方もいるのではないでしょうか。

そんな方におすすめしたいのが、スキンケア発想で作られた日焼け止め。美容液のようなつけ心地で、うるおいを保ちながら紫外線をしっかりブロックしてくれるアイテムです。

ILUS 日焼け止め
  • 価格:1,580円~1,980円
  • 容量:50g
  • SPF:SPF50+/PA++++
肌のうるおいを1日中キープしながら、紫外線A波・B波をしっかりとブロックする高機能UVケアアイテムです。セラミド、コラーゲン、プラセンタなどの美容成分を贅沢に配合し、敏感な肌にもやさしい処方を実現。キシキシ感のないなめらかなテクスチャーと、心地よいアロマの香りで、毎日使いたくなる心地よさです。

日焼け止め以外の対策もチェック

日焼け止めを塗っても焼けることが心配な場合、日焼け止め以外の対策も併用して行うと安心です。
日焼け止め以外の対策は、以下のようなものがあります。

  • 日傘
  • サングラス
  • 帽子・手袋・マスク
  • UVカットタイプのカーテン
  • UVカット効果のある窓ガラスフィルム
  • ブルーライトをカットするアイテム

1つずつ詳しく紹介します。

日傘

日傘は、上から降り注ぐ紫外線を遮ることができるアイテムです。
日焼け止めを塗ったうえで日傘を使い、顔と日傘の距離を近くキープすると、高いUVカット効果が期待できます。

ただし地面からの反射する紫外線を防ぐことはできないので、日傘だけで完璧に防止することはできません。
夏の暑さ対策ができる、頼もしいアイテムです。

サングラス

サングラスは、目からの日焼けを緩和できるアイテムです。
強い紫外線があたると、目はダメージを受けて中が炎症を起こします。

さらに脳はその情報をキャッチし、防御のためにメラニン色素をつくるように反応すると言われています。
肌を日焼けから守るのと同時に、目のUVカットも意識しましょう。

帽子・手袋・マスク

帽子は、顔だけではなく頭皮や髪の毛の日焼けを防げるアイテムです。

より紫外線から肌をガードしたい場合は、つばが広い帽子をかぶりましょう。

半袖やノースリーブを着る際は、長袖の服や手袋で紫外線から肌を守ることができます。
手の甲も焼けやすい部分なので、運転する人や自転車に乗る人は、特に手袋がおすすめです。

また、UVカット加工されているマスクもあるので、特に顔の日焼けが気になる人はマスクを着用するのも良いでしょう。

UVカットタイプのカーテン

UVカットタイプのレースのカーテンを使うと、室内にいても日焼けを防げます。
紫外線を通しにくい糸を使っているものや、繊維の密度の高さで紫外線が入り込むことを防ぐものなど、種類はさまざまです。

UVカット率は商品によって異なりますが、UVカット率が高いと透け感が少なくなる傾向があります。

光を取り込む度合いと合わせて、どのタイプが良いか選んでみてください。

UVカット効果のある窓ガラスフィルム

UVカット効果のあるフィルムを窓ガラスに貼ることで、室内に紫外線が入るのを防ぐことが可能です。

UVカット率は、高いものだと99%もあるため、窓に貼るだけで効果的に紫外線対策ができます。

カーテンをUVカットのものに変えるより、よりリーズナブルに対策できる点もメリットの1つです。

ブルーライトをカットするアイテム

日焼け対策として、ブルーライトカットのアイテムを利用するのもおすすめです。

ブルーライトが肌の酸化ストレスに関与する可能性があるとする研究もあり、シミやくすみの一因と考えられています

長時間パソコンに向かう人は、ブルーライトをカットするフィルムやメガネなどで対策するのがおすすめです。

正しく日焼け止めを使って焼けにくい肌をキープしよう

今回は、日焼け止めを塗っても焼ける原因や解決策について紹介しました。

日焼け止めは、肌質やシーンにあったタイプを選び、正しい塗り方をマスターすることで効果を最大限に発揮できます。
こまめな塗り直しや日焼け止め以外の対策も一緒に行って、焼けにくい肌をしっかりキープしましょう。