オフィス移転を成功させよう!事務所引っ越しスケジュールの立て方や注意点

仕事の規模が大きくなってきたとき、また現在の事務所の更新が迫ってきたときには、「オフィス移転」を検討する方も多いのではないでしょうか。

オフィスの引っ越しには、メリットもあればデメリットもあります。その両方に注目して、適切な移転方法を選択する必要があるでしょう。

オフィスを移転する際に知っておきたい流れやスケジュール、注意点などを解説します。

オフィス移転のタイミングは?みんなの理由

オフィス移転には、コストも手間もかかります。なんとなく検討し始めても、その大変さを思うと尻込みしてしまう…という方も多いのかもしれません。

とはいえ、業務実態にそぐわないオフィスを使い続けていれば、業務効率は下がってしまいます。しかるべきタイミングで移転を検討することは、非常に重要と言えるでしょう。

では具体的に、どういった理由でオフィス移転を決断するケースが多いのでしょうか?オフィス移転のよくある理由は、以下のとおりです。

  • より働きやすい環境を実現するため
  • 自社のブランド化を促進するため
  • オフィスのイメージを向上し、より優秀な人材を確保するため
  • 経費を削減するため

このほかにも、現在のオフィスに不満はなくても、物件や契約関連で移転せざるを得ないケースもあるでしょう。

契約満了で更新されなければ、早急に新たなオフィスを探す必要があります。またオフィスが入居しているビルそのものの老朽化により、退去するケースも多く見られます。

オフィス移転の流れとは?一大プロジェクトを成功させよう

オフィス移転について考え始めたら、まずはざっくりと、今後の流れやスケジュールについて確認しておきましょう。

オフィス移転は、会社にとって一大プロジェクトです。全体の流れを把握しないまま、なんとなく話を進めてしまうと、予期せぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性も高まるでしょう。

まずはオフィス移転の流れを説明します。

  1. 移転計画の立案
  2. 旧オフィスの解約予約
  3. 新オフィスの物件探しと入居可能時期の確認
  4. 新オフィスのレイアウト作成
  5. 社内向けの移転計画ガイダンスの実施
  6. オフィス家具の選定と購入
  7. 引っ越し業者の選定
  8. 旧オフィスの原状回復工事の手配
  9. 取引先への移転案内の発送
  10. 引っ越し作業
  11. 各種手続き
  12. オフィス移転完了

オフィス移転では、旧オフィスと新オフィスの両方で、それぞれの手続きを進めていく必要があります。両者をバランスよく進めていきましょう。

旧オフィス関連でもっとも大変なのは、原状回復工事です。退去日までに工事を完了させようと思うと、あまりスケジュールに余裕はありません。

業者を自由に選定できる場合は、コストと工事内容を比較検討し、依頼することになるでしょう。退去日の2ヶ月前までには手配を完了できるよう、注意してください。

新オフィス関連では、レイアウト作成が鍵となります。より働きやすい環境を作るためには、自社の業務実態に合ったレイアウトにする必要があるでしょう。

しかしどのようなレイアウトを実現できるのかは、選ぶオフィスによっても違ってきます。

できるだけ早い段階でレイアウトについても考え始め、オフィス探しにも反映させていくのがおすすめです。

オフィス移転の詳細スケジュール

オフィス移転には、半年から1年程度の時間がかかるケースが一般的です。具体的な時期と行動の目安は、以下のとおりです。

1年~6ヶ月前 移転計画の立案
6ヶ月前 旧オフィスの解約通知
5か月~4ヶ月前 ・原状回復工事業者の選定
・新オフィスの内覧と選定、契約
・移転スケジュールの作成
・新オフィスのレイアウト作成
3ヶ月~2ヶ月前 ・オフィス内家具の選定
(旧オフィスから持ち込むもの、新たに購入するもの)
・コピー機や電話機の移設手配
・原状回復工事の発注
・取引先への移転挨拶状の準備
・引っ越し業者の選定
1ヶ月前 ・新オフィスの内装工事
・オフィス家具の搬入
・インターネット工事の手配と実施
・取引先への案内状の送付
・各種官公庁への届け出
当日 旧オフィスから新オフィスへの引っ越し作業
~1ヶ月後 ・関係各所での各種手続き
・原状回復工事完了と旧オフィスの退去立ち会い
・旧オフィスの敷金や保証金の返金

オフィス移転のスケジュール確認の上、必要な作業を着実に進めていきましょう。

社員のやる気があがる!?オフィス移転のメリット

オフィス移転には、メリットもあればデメリットもあります。移転を検討する際には、両方をチェックしておきましょう。

オフィス移転には、労力をかけるだけに見合ったメリットがあります。

①社員のモチベーションが向上する

新しくきれいなオフィスは、社員のやる気を向上させてくれます。これまでよりもきれいで広々とした開放的な空間は、業務効率を高める効果も期待できるでしょう。

設備が整い、導線も考えられているレイアウトになれば、快適にストレスなく仕事ができ、「働きやすくなった」と感じ、職場への満足度がUPすることは間違いないでしょう。

②コミュニケーションが活性化する

居心地が良いオフィスになれば、社員同士のコミュニケーションを活性化できる可能性も。お互いに刺激を与え合いながら、より良い仕事ができるのではないでしょうか。

  • ミーティングルーム:使い勝手がよく明るい雰囲気の中で会議ができる
  • リフレッシュスペース:リラックスして過ごせる
  • マグネットスペース:気軽に打ち合わせができる
  • お昼寝スペース:休憩に少し休息が取れる
  • 社内カフェスペース:好きな飲物で一息つける

こういったスペースがあれば、年代や部署の垣根を超えて新たなコミュニケーションが生まれる可能性は十分にあります。

コミュニケーションを取るのが苦手でも、オフィス移転を機に積極的に関わり合えるようなオフィスレイアウトやスペース確保をしていけると良いですね。

③社員にとって魅力的な職場を用意できる

オフィス移転でより立地条件の良い場所を選んだ場合、社員の通勤時間を短縮できる可能性も高いでしょう。通勤の手間が減れば、私生活も充実させやすくなります。

子どもの送迎などで、出社時間や退勤時間を調整している方にとっても、より働きやすい環境を用意できます。

④企業のイメージアップに繋がる

オフィスは企業の顔。オフィス移転によって、企業の知名度や信頼度を向上させられる可能性もあるでしょう。

有名エリアにオフィスを構えれば、「それだけのオフィスを維持できる会社」と認識され信用度もUPする可能性があります。商談も有利に運びやすくなるかもしれません。

また企業理念や事業への姿勢をオフィスデザインに反映させれば、そこで働く従業員やオフィスを訪れた人々に、自然と定着させられるでしょう。

⑤より優秀な人材を確保しやすくなる

新しく美しいオフィスは、採用活動にも良い影響を与えてくれます。「ここで働いてみたい」という気持ちを刺激できれば、より魅力的な人材を確保しやすくなるでしょう。

深刻な人材不足が叫ばれる時代だからこそ、オフィスの印象は非常に重要です。新卒生はもちろん、より良い職場環境を求めて転職活動を行っている方にとっても、魅力的に映るでしょう。

⑥コスト削減につながる可能性がある

オフィス移転の目的はさまざまです。旧オフィスよりも賃料の低いオフィスを契約すれば、毎月のコストを削減できます。

また賃料が上がる場合でも、「社員の通勤が短くなり、その分通勤費にかかるコストが減少した」というケースもあります。

また複数のオフィスを構えている場合、一つの場所に集約することで、コスト削減につなげられる可能性もあるでしょう。

オフィス移転にはデメリットも伴う…気をつけたいポイントは?

メリットしかないのでは?と思うオフィス移転。でも事前準備や働く人の気持ちを大切にしないと、「失敗」に終わってしまう可能性もあります。

新しいオフィスに移転する際にはどのようなデメリットが発生する可能性があるのでしょうか?デメリットを減らす対策と共に確認していきましょう。

①移転に伴う各種コストが発生する

オフィス移転のデメリットとして、無視できないのが各種コストです。一時的なものとはいえ、決して少ない金額ではありません。

  • 新オフィスの契約にかかる費用
  • 旧オフィスの原状回復費用
  • 新たなオフィス家具の購入費用
  • 引っ越し費用
  • 移転プロジェクトに携わるスタッフの人件費

コスト面での負担が気になる場合には、オフィス家具を中古で揃えるなど、節約のための工夫を取り入れる必要があるでしょう。

②移転のための手間が発生する

上で解説したとおり、オフィス移転には最低でも半年、長ければ1年程度もの時間がかかります。当然多くの手間が発生し、社員の負担も大きくなります。

移転で手一杯になると、通常業務がまわらなくなってしまう可能性も。誰を担当者に据え、どう進めていくのかが成功の鍵となるでしょう。

準備は計画的にすること、そして仕事への影響も最小限にとどめることができるように前準備をしっかりと進めていきましょう。

③移転が成功するとは限らない

オフィスに対する捉え方は、人それぞれで異なるもの。残念ながら、オフィス移転を喜ばない人もいるでしょう。

移転によって通勤時間が長くなったり、「働きにくくなった」と感じたりする人もいるはずです。

またオフィスレイアウトを熟考しないまま新オフィスを決めてしまうと、「希望のオフィスデザインが実現できなかった!」という事態にもなりかねません。

こだわったおしゃれなデザインなど、個性的なデザインを選択しすぎてしまうと、落ち着かない…、見た目ばかりで使い勝手がいまいち…と感じてしまう方も出てくるかもしれません。

派手すぎず、地味すぎず、奇抜すぎずなオフィスデザインすることで、働く人にも、訪れる取引先の人にも落ち着いて快適な空間であると感じてもらえるのではないでしょうか。

誰かの満足だけではなく、できるだけ多くの人が満足できるスペース作りができると良いですね。

オフィス移転業者とは?選び方や注意点を解説

オフィス移転業者とは、手間も大きいオフィス移転を、一からサポートしてくれる専門業者です。コストはかかりますが、引っ越しの手間を削減できるでしょう。

とはいえ、ひと言でオフィス移転業者と言っても、その実態はさまざまです。

什器の運搬のみを行っている業者もあれば、新オフィスのレイアウトや内装工事、什器の発注まで、トータルでサポートしてくれる業者もあります。自社の希望に沿ったオフィス移転業者を選択しましょう。

オフィス移転業者に依頼する場合、移転計画のできるだけ早い段階で、業者の比較検討をスタートしましょう。

それぞれの業者に、具体的に何ができ、どの程度の費用がかかるのか見積もりを依頼してみてください。

打ち合わせをしながら、自社の要望を叶えてくれる業者を選択するのがおすすめです。

オフィス移転で忘れてはいけない注意点6つ

メリットもデメリットもあるオフィス移転。できるだけメリットを大きくするためには、いくつか注意したいポイントがあります。

5つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

1.オフィスを移転する理由はできるかぎり明確に!

オフィス移転の目的はさまざまですが、できるだけ早い段階で、できる限り明確にしておきましょう。目的がはっきりしていれば、移転そのものが成功する可能性も高まります。

たとえば、「利便性が悪いところをなんとかしたい」という理由がある場合、新オフィスは立地条件を最優先に選ぶべきでしょう。

早い段階で移転の目的を明確にしておかなければ、新オフィスをどう選ぶのか、指針もはっきりさせられません。

移転の理由を明確にしたら、従業員にも周知しましょう。移転の際には従業員の負担も大きくなりますが、理解を得やすくなるでしょう。

2.現オフィスの契約条件は早めにチェック

オフィス移転に欠かせない手続きの一つが、旧オフィスの解約です。解約の際のルールは、契約条件によって異なるもの。できるだけ早い段階でチェックしておきましょう。

特に注意が必要なのは、解約通知日と原状回復に関する規定です。

  • いつまでに解約を通知すれば良いのか?
  • 原状回復は誰に、いつまでにお願いすれば良いのか?

移転計画そのものにも関わってくるポイントですから、忘れないでください。

3.新オフィスのレイアウト作成は慎重に!

新オフィス関連でもっとも注意したいのが、レイアウト作成です。

オフィスレイアウトは、オフィス全体の使い勝手を決定づける重要なポイントです。忙しい時期であっても、ぜひ慎重に検討してみてください。

社内で対応するのが難しい場合には、専門業者も頼りにしましょう。

4.各種手続きはチェックリストで漏れを防ごう

オフィス移転前後には、さまざまな手続きが必要になります。事前にチェックリストを作成し、漏れを防ぐようにしてください。

法務局 本店移転登記申請書もしくは支店移転登記申請書
税務署 ・異動届出書
・給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出書
年金事務所 適用事業所所在地・名称変更(訂正)届
労働基準監督署 労働保険名称・所在地等変更届
都道府県税事務所 事業開始等申告書
ハローワーク 雇用保険事業主事業所各種変更届
郵便局 郵便物届出変更届

それぞれで、手続き可能期間や必要書類は異なっています。確認の上で進めていきましょう。

5.全体のスケジュールは余裕を持って組もう

オフィス移転のスケジュールは、常に問題なく進んでいくとは限らないでしょう。何らかのトラブルが発生しても対応できるよう、余裕を持って組んでください。

スケジュールに余裕がないと、通常業務がまわらなくなってしまう恐れもあります。時間的にも人材的にも、ぜひ余裕を意識してみてください。

6.従業員への説明は丁寧に行おう

先ほどもお伝えしたとおり、オフィス移転によって助かる人もいれば、デメリットの方を強く感じてしまう人もいます。

社内での不満を解消するためには、従業員に対する説明を丁寧に行い、理解を求める必要があるでしょう。

特に、

  • なぜ移転が必要なのか?
  • 移転によってどのようなメリットが生まれるのか?

これら2点については、しっかりと伝えてみてください。

従業員の理解を得られれば、移転計画そのものをスムーズに進められる可能性も高まるでしょう。

オフィス移転は目的を明確にして計画的に進めよう!

コストも手間もかかるオフィス移転ですが、その分メリットも多々あります。

オフィス移転、事務所の引っ越しを成功させるためには、まずその目的を明確にして、計画に沿って物事を進めていく必要があるでしょう。

オフィス移転には、通常半年から1年程度の時間がかかります。一大プロジェクトであることを認識して、一つ一つ着実に進めてみてください。

オフィス移転は、ただ単に場所を移動するだけではなく、働く人も一緒に動くので、その人達の希望を聞き少しでも不満を解消できる方向で計画を立てていくことがとても大切です。

移転後に「働きやすくなった」「移転して良かった」と言ってもらえるように、デメリットに目を向け少しでも減らしていけるような対策を取るとともに、メリットを最大限に引き出せるよう準備して行きましょう。

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